【精巣がん体験記】治療方針はどう決まる?ステージ3Bのわたしが「手術+抗がん剤」になった医学的理由

治療方針が決まるまでの不安な時期

こんにちは、しんごです。 がんの告知を受けてから、具体的な治療方針が決まるまでの期間。これほど長く、不安な時間はなかったかもしれません。

「自分はどんな手術をするんだろう?」 「抗がん剤は必要なのかな?」 「そもそも、治るんだろうか……」

一人で考え込んで検索魔になってしまったり、気持ちがふさぎ込んでしまったりする方も多いと思います。 今回は、精巣がんの治療方針がどのように決まるのか、ステージ3Bと診断されたわたしの実体験と医学的な理由を交えてお伝えします。

これからがん治療に向き合うあなたや、支えるご家族にとって、少しでも心の準備の助けになれば嬉しいです。

まず知っておきたい「精巣がん」2つの種類

精巣がんと一言で言っても、実は大きく分けて2つの種類(タイプ)があることをご存知でしょうか? この種類の違いが、その後の運命(治療法)を大きく左右します。

名前は少し難しいですが、キャラクターに例えると分かりやすいです。

比較的おとなしい「セミノーマ」

  • 特徴: 性質が比較的素直で、おとなしいタイプ。
  • イメージ: 真面目な優等生タイプ。

進行が早くやんちゃな「非セミノーマ」

  • 特徴: セミノーマ以外のもの(胎児性がん、絨毛がんなど)。進行が早く、転移しやすい性質があります。
  • イメージ: ちょっと暴れん坊で、やんちゃなタイプ。

医師はこの2つのどちらなのか(あるいは混ざっているのか)を、組織検査で慎重に見極めます。

種類によってガラリと変わる治療の選択肢

なぜ、種類を見極めることがそんなに重要なのでしょうか? それは、「使う武器(治療法)」が全く異なるからです。

運命の分かれ道は「放射線が効くかどうか」

ここが今回の一番のポイントです。

  • セミノーマの場合: 放射線治療がよく効きます。
  • 非セミノーマの場合: 放射線治療は効きません。

そのため、もし診断結果に少しでも「非セミノーマ」の要素が含まれていた場合、放射線という選択肢は消え、「抗がん剤(化学療法)」で叩くという選択肢が取られることになります。

全身検査(CT・MRI)で転移をくまなくチェック

種類の特定と同時に行われるのが、全身のスキャンです。 精巣がんは、肺やリンパ節、時には脳や骨に転移することもあります。

  • 造影CT検査
  • MRI検査

これらを使って、普段は見ないような機械の中をくぐり抜け、全身くまなくがん細胞が散らばっていないかをチェックします。これにより「ステージ(進行度)」が確定します。

わたしの診断結果:やっかいな「混合型」とステージ3B

では、わたしの場合はどうだったのか。 結論から言うと、少しやっかいなケースでした。

両方の性質を持つ「混合型」とは

検査の結果、わたしの腫瘍は単一の種類ではありませんでした。

  • 非セミノーマ:70%
  • セミノーマ:30%

このように両方が混ざったものを「混合型」と呼びます。 「30%はセミノーマだから、放射線もいけるのでは?」と思うかもしれませんが、ルールは厳しいほうに合わせます。「非セミノーマ」が含まれている以上、放射線は効かないと判断されます。

最終決定した「手術+抗がん剤」の2段階治療

さらに、わたしの場合は以下の状況が重なっていました。

  • 組織型: 放射線が効かない「混合型」
  • ステージ: 肺やリンパ節への転移がある「ステージ3B」

肺にまで転移しており、進行の早いやんちゃな顔つきをしているため、一刻の猶予もありませんでした。そこで主治医から提示されたがん治療の方針は以下の通りです。

  1. 手術(第1段階): まずは大元の悪い部分である「患側の精巣」をすべて摘出する。
  2. 化学療法(第2段階): 手術後すぐに、全身に散らばったがん細胞を「抗がん剤」で徹底的に叩く。

こうして、わたしの闘病に向けたロードマップが決まりました。

一緒に病気と向き合い、乗り越えていきましょう

診断結果を聞いた当時は、年末の忙しい時期だったこともあり、「まさか自分がこんな複雑な状況になっているとは」と思いもよりませんでした。

でも、治療方針が決まったということは、「戦い方が決まった」ということでもあります。 やるべきことが明確になれば、あとは前に進むだけです。

もし今、検査結果待ちで不安な方がいたら、焦らずに主治医の説明をよく聞いてください。 一緒に病気に向き合い、乗り越えていきましょう。


【補足】精巣がん治療に関するQ&A

Q1. 「腫瘍マーカー」とは何ですか?

精巣がんの診断や治療効果の判定に非常に重要な血液検査の数値です。主にAFPhCGLDHという3つの数値をチェックします。 特に「非セミノーマ」の場合、これらの数値が異常に高くなることが多く、治療が効いているかどうかのバロメーターになります。

Q2. 抗がん剤治療(化学療法)はどのくらいの期間かかりますか?

ステージやリスク分類によりますが、精巣がんの標準的な治療(BEP療法など)は、1サイクルを3週間とし、それを3〜4サイクル(約3〜4ヶ月間)行うのが一般的です。入院が必要なケースが多いですが、通院で治療できる場合もあります。

Q3. 抗がん剤の副作用はつらいですか?

個人差はありますが、吐き気、脱毛、骨髄抑制(白血球の減少)などが起こりやすいです。 ただ、精巣がんは「固形がんの中で最も抗がん剤が効き、完治が期待できるがん」と言われています。副作用対策の薬も進歩していますので、医療チームと相談しながら、根治を目指して治療を完遂することが大切です。

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