手術前は「恐怖と緊張」でいっぱいでした
こんにちは、しんごです。
精巣がんという診断を受けてから、手術の日が決まるまで。わたしは正直、生きた心地がしませんでした。 もちろん、「がん」そのものへの不安もありました。でも、それ以上にわたしを恐怖のどん底に突き落としていたもの。それは……。
「手術の麻酔が、死ぬほど痛いんじゃないか?」
という恐怖です。 これからがん治療として手術を控えている方の中にも、手術そのものや痛みに不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
今回は、そんな「ビビリ」なわたしが実際に体験した、手術当日のリアルな様子と、麻酔の真実についてお話しします。
トラウマだった「下半身麻酔」の真実
わたしがこれほどまでに怯えていたのには、明確な理由がありました。それは中学時代の苦い記憶です。
過去の盲腸手術での「激痛」の記憶
中学生の頃、盲腸(虫垂炎)の手術を受けました。その時も今回と同じ「下半身麻酔(腰椎麻酔)」だったのですが、これが本当に地獄でした。
背中を丸めて、背骨の隙間に注射針を刺すのですが、何度やっても針が入らず、グリグリと探られる感覚と激痛……。脂汗をかきながら「痛い!痛い!」と叫び続けた記憶が、強烈なトラウマになっていたのです。
実際は「採血より痛くない」驚きの進化
「またあの痛みを味わうのか……」と、処刑台に向かうような気持ちで手術台に上がりました。 震える背中を丸めて、医師が「はい、麻酔しますよー」と言った瞬間。
「チクッ」
……あれ? 終わりですか?
そうなんです。信じられないことに、採血の針よりも痛くないレベルで、一瞬で終わってしまったのです。 「先生、すごい! 全然痛くないです!」と思わず叫んでしまったほど。医学の進歩なのか、先生の腕が良かったのか。わたしの長年のトラウマは、あっけなく解消されました。
手術中は眠ってしまうほどリラックス
麻酔が効いてくると、下半身の感覚がなくなります。 手術中は意識がある状態(局所麻酔)ですが、痛みが全くない安心感からか、極度の緊張が解け、なんとわたしは手術中に眠ってしまいました。
鎮静剤などは使っていません。それくらい、現代の手術はスムーズで、患者への負担が少なくなっているのだと実感しました。
手術当日の流れと所要時間
では、当日はどのような流れで進んだのか、時系列で振り返ってみます。
まさかの急展開!突然の手術開始
実は、手術開始のタイミングは突然でした。 「今日は手術室が混んでいるから、部屋で待っていて」と言われ、のんびりスマホを見ていたところ、看護師さんが血相を変えて飛んできました。
「しんごさん! いま、手術室が空きました! すぐ行きますよ!」
心の準備をする間もなく、バタバタと着替えさせられ、あれよあれよという間に手術室へ。結果的に、この慌ただしさが余計なことを考える時間を消してくれたのかもしれません。
手術室の様子と直前の処置(剃毛)
手術室は、まさに医療ドラマの世界そのもの。 手術台に乗ると、執刀医による「剃毛(ていもう)」が行われます。感染症予防などのため、患部周辺の毛を剃る処置です。恥ずかしいと思う暇もなく、テキパキと進められます。
手術時間はトータル1時間半〜2時間
手術自体は、準備を含めても1時間半から2時間程度でした。 眠っていたこともあり、体感としては「えっ、もう終わったの?」という浦島太郎状態。気づけば病室に戻るベッドの上でした。
術後の経過とスピーディーな退院
手術が終わった後、どれくらいで動けるようになるのかも気になりますよね。
ベッド上の処置(血栓予防とカテーテル)
術後、麻酔が切れるまでは足が動きません。 ずっと同じ姿勢でいると「エコノミークラス症候群(血栓)」のリスクがあるため、以下の対策をします。
- 弾性ストッキング: 締め付けの強い靴下を履く
- フットポンプ: 足の裏やふくらはぎを機械でシュコー、シュコーとマッサージして血流を促す
また、翌日まではトイレに行けないため「尿道カテーテル」が入っています。これは正直違和感がありましたが、翌日には抜け、自分の足でトイレに行けるようになりました。
傷口は「ホッチキス」で。抜糸の痛みはなし
傷口の処置も進化していました。 昔のように糸で縫うのではなく、医療用ホッチキス(ステープラー)でバチバチッと留められています。 「抜糸(ばっし)が痛そう」と心配していましたが、退院前にホッチキスの針を抜く際も、パチンパチンと取るだけで、痛みはほとんどありませんでした。
木曜手術・月曜退院。たった5日の入院生活
驚いたのが回復の早さです。
- 木曜日: 入院・手術
- 金曜日: カテーテルが抜け、歩行開始
- 月曜日: 退院
なんと、入院からわずか5日でのスピード退院でした。 精巣がんの手術は、開腹手術などに比べると体へのダメージが比較的少なく、社会復帰も早いのが特徴だと感じました。
案ずるより産むが易し
手術前、わたしはネットで「手術 痛い」「麻酔 失敗」など、怖い言葉ばかり検索しては震えていました。 でも、終わってみれば「案ずるより産むが易し」。想像していたような恐怖や激痛は、そこにはありませんでした。
これから手術を受けるあなたへ。 不安になる気持ち、痛いほどわかります。でも、大丈夫です。 医師や看護師さんたちはプロフェッショナルです。わたしのように、寝ている間に終わってしまうかもしれません。
リラックスして、治療への第一歩を踏み出してくださいね。
【補足】「よくある質問」
Q1. 手術後の痛みはどれくらい続きますか?
麻酔が切れた当日の夜は、傷口がズキズキと痛むことがありました。ただ、点滴や座薬の痛み止めを使えば十分にコントロールできるレベルです。「痛い時は我慢せずにすぐに言ってね」と看護師さんも言ってくれるので、遠慮なく相談しましょう。退院する頃には、痛み止めなしでも生活できるくらいに落ち着いていました。
Q2. 費用はどれくらいかかりますか?
病院や入院期間、部屋代(個室かどうか)によりますが、一般的な健康保険(3割負担)を使って、おおよそ10万円〜15万円前後が目安になることが多いようです。ただし、日本の公的保険には「高額療養費制度」があります。事前に「限度額適用認定証」を申請しておけば、窓口での支払いを自己負担限度額(年収により異なりますが、一般的には8万円強+α)に抑えることができます。必ず手続きをしておくことをおすすめします。
Q3. 退院後、すぐに仕事復帰できますか?
事務仕事などのデスクワークであれば、退院後数日から1週間程度で復帰される方もいます。わたしの場合も、退院翌日から自宅で軽いパソコン作業を始めました。 ただ、重いものを持ったり、腹圧がかかる運動は、傷口が開く恐れがあるため、術後1ヶ月程度は避けるように指導されます。焦らず、自分の体調と相談しながら決めてくださいね。


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